蒼き狼～地果て海尽きるまで～

蒼き狼～地果て海尽きるまで～を見てきました。その感想をば。

えと、ネットで評価見てたんですが、ネットではさんざん叩かれてますね（苦笑）

其処まで叩くほどでは無いのですが、決して叩かれているのをフォローしようと思うほどの出来の良さでは無いです。 一言で言うと、微妙。とても微妙。

衣装や髪型は参考になりました。
この時代のモンゴルって、微妙に中国とも違うし、日本とも全然違う。でも、その違いは欧米なんかと比べるとわずかな差なので、書き分けって難しいのです。

ネットで言われてた「モンゴルの話なのに、日本語で皆話をしているのがおかしい」と書いてありましたが、これは仕方ないかと（＾＾；）
これを言い出すと、ハリウッド製作のギリシア系神話の映画なんかも、同じようにつっこめます。「アレキサンダーは、何で英語を喋ってるんだ」「トロイはギリシア語ではないのか」「アーサーも、ケルト語では…」とかとか。
こういう物は、英語自体が日本人にとっては異国語であるため、違和感が無いのでしょうが、地元の人にとって見れば、英語はむかつくでしょうに。
それと同じで、モンゴルの話だけど、日本製作のため日本語であることは仕方ないように思えます。
アメリカなどの人から見れば、きっと日本語話していて字幕なら、問題ない（爆）

日本語云々はぶっちゃけどうでもいいのですが。
え、何これ。
役者大根過ぎます。
これは、ネットの評価に賛同。
主演や成人役はまだしも、子役は酷すぎた。
棒読み。
まだ吹き替えなら聞ける子も、動きがほぼ無し。
成人も成人で、動きや台詞が一辺倒。
原作読んだこと無いので、何とも言えませんが、脚本が悪いのは間違いない。
台詞だけでなく、心理描写も微妙。
何が言いたい。
主人公は確かに凄い奴なのかも知れない。
それがどこなのかが分かりにくい。
情に厚いなら、浮気するな。奥さん一筋と言いつつ、他の女に誘われてそれにのるな。そして、奥さん。後半どこ行った。ほとんど出てこない。最後に少し生きてるのが分かる程度。もっと、奥さんと女の憎しみあい等があれば、人間らしかったのに。
親子の関係を描きたいなら、もう少し息子にスポットを当ててやれ。
母さん、ナレーションしなくて良いから。目立ちすぎ。
神聖化するならとことんと神聖化して、人間味を出すならもっと人間味を出してくれ。中途半端だった。
（この点、アレキサンダーは良かった）

あと、戦闘シーン。
確かに飽きる。
が、それは仕方ない気もする。
騎馬民族のため、どうしても戦の手段が馬による、それの対抗手段としての弓が主体になってしまう。
遊牧民のため、歩兵を育てる場所も、歩兵の装備も武器も整っては居ないのだろう。逆に、私は今回の戦闘に歩兵がいたら、絶対しらけていた。その点、ちゃんと馬に乗っていたのは偉いと言える。
弓と剣、そして馬だけだが、火矢を使ったり、集団戦術を見せたりなど、見せ方は工夫していたとは思う。
が、バリエーションは作りづらい。
どうせなら、戦闘はもっと削り、まともに見せるのは最後だけにし、心情に力を入れれば面白くなったのではないだろうか。
戦術は面白かった。
上手い具合に人の動きがなめらか。
血しぶきは勘弁。
下手なＣＧで着色するより、日本の殺陣の様に、もういっそのこと血が全く出なくて良いのではないか。

年齢指定つけるべきだ。
Ｒ１２ぐらいで（低
「絞め殺せ」とか、腹を何度も突き刺すシーンとか、朝ちゅんとか。さすがにＲ１２ぐらいは必要では無かろうか。
見ていてぐろかった。
そして「絞め殺せ」という台詞は印象的。
こんな言葉遣いを子どもに見せたら真似するので、見せたら駄目だ。
と言っても、映画館にいたのは40代の方ばかり（爆


とても微妙な作品。
これを見るくらいなら、むししを見た方が良かったかも知れない。
これを見るくらいなら、アレキサンダーをお薦めする。